皆さんは英会話スクールの仕事についてどのような印象をお持ちですか?
「華やか」「英語を使っていてカッコイイ」「オシャレ」といった印象をお持ちの方も少なくはないでしょう。なぜなら私も新卒の時は同じように思っていましたから…
では実際にどんな業界なのか。一言で言い表すと「体力仕事」です。休む間もなく汗を流しながら話し続ける非常に体力を使う仕事なのです。飛行機の添乗員と同じようですね。
では実際に私が大手の英会話学校で働いていた時の一日のスケジュールをざっくりではありますが、皆様に紹介しましょう。(1年間で忙しさに波はありますが、大体こんなスケジュールです。)
1日のスケジュール
AM 09:00 起床
AM 11:00 自宅を出発
AM 11:40 出社(就業時間は12:00)
メールや留守電をチェック
PM 12:00 始業時間
掃除・ミーティング
PM 13:00 授業開始
PM 15:00 昼食
PM 21:00 最終授業終了
メールのチェックやレッスン内容の記録を残す
PM 21:45 退社(終業時間は21:00)
PM 22:30 帰宅 夕食
この業界は始業時間が遅いため、私のように朝が苦手な人間にとっては非常に働きやすいと思います。しかしながら、昼食や夕食の時間がかなり狂ってくることと、残業時間によっては終電ぎりぎりになったりと厄介なこともあります。
そして、レッスンとレッスンの間は10分ほどしかなく、次の準備や生徒対応をしているとトイレに行ったり、水分をとったりする時間はほとんどありません。どうしてもと言う時はもちろん水分補給やトイレに行きましたが、基本的には避けていたのが現実でした。特に子供のレッスンでは歌ったり踊ったり、元気なクラスでは大きな声で叫びまくったりと冬でも汗をかきまくります。まさに「体力勝負」なのです。
時間外労働
ここで、多くの新入社員の方が見落としてしまう(むしろ働かないと気づくことはほぼ不可能でしょうが‥)点があります。それが準備時間です。これは塾の講師などにも言えるでしょう。
我々社員は売り上げのために基本的にはたくさんレッスンを入れなければなりません。レッスンが入らなと売り上げが上がらず、利益が減りますからね。レッスンが入っていない講師は色んな方面から嫌がられます。ですので、売り上げがしっかり出ているスクールでは、基本的には50~60分の授業が1日6~8コマ入ります。するとどうでしょう?9時間の勤務時間のうち、1時間は昼食と考えると、最大コマ数の8コマ1日入るとレッスンをして昼食を食べると1日が終わります。「あれ、準備はどこでするの?」と思った方、その通りです。レッスン内容は毎回違う場合もありますし、受験対策や英検対策などが入るともちろん問題を先に解いたり、教え方を考える必要があります。
ではその準備をどこでするのか…ズバリ「自宅」です。持ち帰り残業というやつですね。もちろん無給です。残業をすることもできますが、そんな雰囲気ではないですし、本社から個人に対して1か月の残業していい時間の総時間が割り振られますから、もちろんそれを超えないように働かなければいけません。が、残念なことにそれは無理です((笑))無理でした((笑))
私は地方の国公立大学出身でしたが、解いたこともない東京外大や早稲田の英語をプライベートレッスンで教えることもありましたし、英語で触れたこともない分野のプレゼンのお手伝いなどもありましたから、レッスン時間以上に準備が必要な時もありました(泣)ですが生徒はそれに大金を払って受けに来るのですから適当な授業をするわけにもいきませんのでとことん準備しないとクレームになりかねません。そんなプレッシャーの中、自宅やひどい時は電車の中で問題集を開き、ひたすらに準備をしていました。
慣れて来たり経験を積んでくると引き出しが増え、あまり準備に時間がかからなくなりますが、「きちんと満足のいくレッスンをしたい」と思う真面目な方程準備にかなり時間がかかってしまい辞めていく印象でした。これによりプライベートの時間はどんどん削られていきました。
大きなメリットもある
ここまで読むと「最悪‥」「何もいいところがない」と思われるでしょう。しかし、実はいいこともあるのです。それが「自分の英語力が飛躍的にアップする」点です。
私は入社時は英検準1級、TOEIC850点ぐらいでしたが、入社後2年ほどで英検1級、TOEIC900超を取得することができました。しかもほぼ勉強はしていません。なぜなら今までの持ち帰り残業で様々な分野の英語を学び、解説までできる能力を身に着けたからなのです。英検で言えば、何冊かは問題集の答えを丸暗記しているレベルで解いていました((笑))
まさにこの業界は働きながら英語力をあげるのにはもってこいだと思います。本当に様々な知識を身に着けることができました。
英会話講師のリアルな1日はいかがでしたでしょうか?これからこの業界に入られる方は「思っていたよりも体力仕事」であることを覚悟しておいた方が、入社後のギャップが少なくなるでしょう。また、これから英語力を飛躍的にアップさせたい方にはもってこいだと思います。
ぜひこの記事と、英会話講師に向いている人向いてない人の記事の両方を読んでいただき、入社前にイメージをつかんでおきましょう。
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